「下手なナンピン、大怪我のもと」
「下手なナンピン、大怪我のもと」とか、「下手なナンピン、スカンピン」という投資の格言があります。
ナンピン(難平)とは、値上がりを予想して購入した株式や投資信託が、予想に反して値下がりしたときに買い増すことです。
平均取得単価が下がるので、値上がりしたときの利益が大きくなります。
一方で、うまく値上がりしなければ損失が膨みますし、大きな金額でナンピン買いをするとさらに損失が大きくなります。
多くの人が売っているときに買い増しをするので、一般とは反対の投資行動(逆張り)になります。
「下手なナンピン」は、値段が下がったという理由だけで安易に買い増しをすることで、しっかりした根拠が無ければ失敗しがちです。
「人の行く裏に道あり花の山」
一方で、「人の行く裏に道あり花の山」と言う投資の格言もあります。人とは違う投資行動がリターンを生むということです。
人と同じことをしていては大して利益にはなりません。人と違う投資をすることは勇気がいりますしリスクを取る行為になりますが、その分リターンにつながります。
ナンピン買いは他人とは違う投資行動になりますので、うまくいけばリターンにつながります。
リスクはありますから、個別株でナンピン買いをするときはその銘柄の実力を見極めておかないといけません。
投資信託の2つのメリット
ナンピン買いの場合、投資信託には個別株には無いメリットが2つあります。
1つは、比較的に今後の予想がしやすいことです。
個別銘柄のトレンドは難しくても、大きな経済のトレンドはある程度予測がつけやすいはずです。
過去の経済動向が参考になりますし、ニュースを見れば今後の経済状況も解説されます。
例えば、全世界の株式指標に投資する投資信託であれば、全世界の株式がこの先どうなるかだけを考えればよいのです。
2つ目は、積み立て購入が簡単にできることです。
ネット系の証券会社によっては、毎日でも毎週でも毎月でも好きなタイミングで、100円から投資信託の積み立て購入をすることができます。
投資信託ではこのメリットを利用して、少額で積み立てるナンピン買い(以下、「ナンピン積み立て運用」)をすることができます。
少額運用でリスク分散
大きな金額ではなくて、小さな金額のナンピン買いならその分リスクを小さくすることができます。
私の場合、購入した投資信託が購入時よりも値下がりしている間は、余裕資金の範囲で積立て金額を設定します。
つまり、自分が購入した金額よりも値下がっているときに、小さい金額で買い続けることになります。
基準価額(投資信託の単価)が取得単価を下回りマイナスリターンの間は、いつでも「 ナンピン積み立て運用」のタイミングと考えます。
積み立て金額を低く設定しておけば買い増しにかかる金額も小さくなるので出費の負担や損失の程度を減らせます。
価格が変動する金融商品を常に一定の金額で、かつ定期的に買い続ける手法を「ドルコスト平均法」と言います。
ドルコスト平均法では値下がりと値上がりに関係なく、常に一定の金額で積み立て購入を続けます。
ドルコスト平均法のデメリットは値上がりした分まで買い増しすることで、その分のリターンは小さくなります。
「ナンピン積み立て運用」では、値上がりを予想して購入した投資信託が値下がりしているときだけ少額ずつ買い続けます。
値上がり分の購入が少ない分、リターンが大きくなるメリットがあります。
「ナンピン積み立て運用」
自分の購入した投資信託がマイナス運用かどうかを、常に気にする必要はありません。
たまたま確認したときにマイナス運用だったら、「ナンピン積み立て運用」を考えます。
小さな金額で積み立て購入を始めてみればよいですし、余裕資金があるのなら積み立て金額を増やしたり、資金の余裕がなくなれば積み立てのストップや減額もします。
損益がマイナスの間はうれしくないと思いますが、逆に考えれば投資機会が続くと前向きに捉えることができます。
その後の損益がプラスに転じるかどうかも忘れていてもかまいません。 気づいたときにプラス運用に戻っていれば、積み立て購入をストップします。
もしもまたマイナス運用に逆戻りしたら、あらためて「ナンピン積み立て運用」を再開します。
時間的なリスク分散をしつつ、投資信託の資産成長とともにリターンの最大化ができると思っています。
いったん損益がプラスで安定してしまえばいつでも売却を考えられますし、さらなる成長が見込めれば持ち続けてもかまいません。
いずれにしても、損益のプラスは精神衛生上もプラスです。
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